クリエイティブとカネ

文系学生によるアート、デザイン、プログラム、IT、ビジネスについての考えやアイディアまとめ。

高齢者が多く住まう団地に花も植えてはダメだと言う大阪府の役所

大阪に、高齢者が多く住まう団地がある。

私のおばあちゃんが住んでいる団地なのだが、高齢者は安く住めるということで、悪い立地条件でも大勢の高齢者が今も住み続けています。

 

この団地では、団地の土地の一部で園芸をしているものが多く、野菜を植えたり花を植えたり梅の木を育てたりして、高齢者たちの数少ない趣味の一つとして楽しまれています。

 

しかし数十年黙認されてきたこの園芸に関する締め付けが強くなっているそうです。

そもそも現在、団地住居者が園芸をしている土地は大阪府のもの。実は住居者の土地ではないんですね。ですから実のなるものを栽培してはダメだと。花や木も本当はダメだと。

 

言ってることはわかります。そして住居者も事を荒立てることはしたくないらしく(年寄りだから当たり前)基本的にはこの役所の指示に従う方向の意見も多く出ているが、数十年育てていたものを切り取るのは悲しいらしく、どうにか木や花に関してのみ、許可してくれないかと交渉を続けているようです。

 

役所側としては、従わないようであれば、法的措置も取るとのこと。法廷で争うことをちらつかせているようです。ちなみに雑草などの処理は住人でやるようにとのこと。

 

ちなみにおばあちゃんから聞いた話なので、詳しいやりとりを聞いたわけではありません。しかし、ばあちゃんはこの役所の指示に対しては特に問題と思っているわけではないそうです。勝手に人様の土地で園芸をし続けていたのだから、それは私達が悪いと。

 

しかし、高齢化が問題になっている昨今、やや非常識なんじゃないかなという印象も懐きます。

府の土地で勝手に実のなるものや、高価な草花を栽培されると、場合によっては大きな問題になる可能性が出てくることはわかるのですが、なるべく高齢者たちの数少ない趣味を奪わないようなアイディアで解決してくれないかと。

 

そしてこの園芸は、長いこと黙認されてきたようで、ここ最近になって急に締め付けが強くなったようです。園芸とは長く続けてこそ趣が出てくるもの。それ故に心が痛みます。

 

ボケた老人が沢山出てくるほうが、府にとっては困るわけです。趣味とボケることの因果関係については私は詳しく知りませんが、頭や体を使わなくなった老人が、老人ホームや介護施設のお世話になる可能性が増えることは想像がつきます。人手不足の介護福祉業界をこれ以上圧迫はしたくないはずです。

 

趣味があり、その趣味でコミュニケーションが取れるから、今もなお、多くの高齢者が元気に楽しく生活をしている。この現状を踏まえた上で、決まりを厳守することが一番重要なのでしょうか。

 

こういった問題はおそらく、少なくないのでしょう。できればこれまで働いてきた高齢者たちには、趣味を楽しめるような、余裕のある規則の中で生活をしていただきたいものです。